業界関連情報

レアメタル高騰で悲鳴を上げる日本

イメージ画像

インジウム、ジルコニウム、モリブデン・・・、日頃耳にしない言葉だが、これらは携帯電話や自動車、 液晶テレビなど身近な製品を作るのに欠かせない金属の名称である。 これらの金属は世界的に埋蔵量が限られているため、総称してレアメタル(希少金属)と呼ばれる。

レアメタルとハイテクとの関係上、現代社会はレアメタル無しでは成り立たない。 そして日本は世界のレアメタルの25%を使う世界一の消費国。同時にレアメタルの研究開発に関する 超大国である。

今、レアメタルの価格が高騰し、日本メーカーは悲鳴を上げている。 "レアメタルが入手難"であることが高騰の主要因である。レアメタルは、地球上に均等分布されておらず、 産出地域は、中国やロシア、南アフリカなど一部の国に限られている。日本は輸入をすることでしか レアメタルを手に入れることは出来ない。 しかし、こうした資源国が、自国の需要を優先すると共にレアメタルの輸出を控えだした。 従来の輸出奨励策を打ち切り、昨年11月以降、逆に輸出税を増やし始めた中国がその代表だ。 必要量の確保を行う為に、独自技術の公開もいとわないという企業が現れるほど、日本のメーカーは 中国などの一部の国に主導権を奪われている状況だ。

そんな中、日本政府も対策に乗り出した。経済産業省は、海外の探鉱開発やリサイクルの推進、 代替材料の開発などを計画している。今年度から代替材料研究に助成金を出しているが、成果が 出るまでには時間が掛かりそうである。

また、今回のピンチをチャンスと捉え、ビジネスに活かす企業も現れた。
【例1:東ソー】
液晶パネル製造に不可欠なITO(インジウムとスズの複合化合物)財の代替素材を開発。 安価な亜鉛を使うのが特徴で、国内外のパネルメーカーと契約を目指し交渉を進めている。
【例2:日鉱金属】
IT機器や情報家電を回収し、中のレアメタルを再利用するリサイクル事業に取り組む。 大量の廃棄物を供給してくれる首都圏を、「都市鉱山」とみなしている。

上記のように、今回の危機は日本メーカーの悲劇のようにも思えるが、実際は日本メーカーが レアメタルを買いあさった結果のツケともいえる。 日本メーカーはかつて長期の見通しを持たず、市場でレアメタルを安く買いあさってきた。 今はそのツケがきているだけである。今後は、世界で有望な鉱山を探して開発権益を確保し、 長期安定的な供給策を考えなければならない。政府もアフリカやアジアへの「資源外交」を 強化して、今回の危機を官民一体で乗り越える必要がある。

   ※製造業の企業価値向上に役立つモノづくり企業のための
       ポータルサイト『WA(ダブルエー)』
こちらから