現在、政府が平成23年度の予算編成と税制改正に向けた議論を進めていますが、このほど、東京都がそうした動きに対して「地方財政を巡る最近の国の動きについて〜都財政への影響を踏まえて〜」と題して、都の意見をまとめました。
東京都は、政府の予算編成や税制改正について「税制の抜本的改革の全体像や地方税財源のあるべき姿が提示されないまま、局所的な議論が進められようとしている」と危惧しています。そこで、「地方税財源の拡充という本質的な問題に対して、真正面から取り組むことこそ、国が採るべき本来の道筋」と考え、このほど、「地方財政を巡る最近の国の動きについて〜都財政への影響を踏まえて〜」と題して、都財政に与える影響を踏まえながら、
本質的な議論につながる問題提起を行いました。
具体的には、まず法人事業税の不合理な暫定措置は、「地方税の原則を歪め、東京の財源を不合理に奪うもので、直ちに撤廃すべき」だとしています。この暫定措置は、平成20年度の税制改正で導入されたもので、地域間の税源偏在を是正するために、消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として創設された法人事業税の一部を分離した地方法人特別税のことです。
次に、法人実効税率の引下げについて、「地方財政に影響を与えないよう、十分な配慮が必要」とし、国庫補助負担金については、「国と地方の役割を見直した上で、国の関与をなくすべき事務に係るものについては、原則として廃止し、権限の移譲と併せて、必要な財源を確実に措置すべき」としています。さらに、地方分権に資する地方税源の拡充を図るため、地方消費税の拡充について「直ちに税制の抜本的改革の中で、消費税の税率引上げと一体的に議論を始めるべき」だと訴えています。
いま、全国の地方自治体がたばこの小売販売業者に対し、たばこ税の手持品課税の期限内申告を強く訴えています。過去最大の増税で、取りこぼしがあれば今後の財政運営に大きな影響を及ぼすからです。
今年10月1日、たばこ税が一本当たり3.5円という過去最大の増税が行われました。国税分の4分の1が地方交付税に回り、合わせると、たばこ税の6割が地方財源となることから、今回のたばこ税の増税はいわば地方のために行われたと言っても過言ではないといわれています。
税法では、たばこ税の税率引上げが行われた場合、既に製造場から出荷され流通段階にある製造たばこに対して税率の引上げ分に相当する課税(手持品課税)を行い、税率改正後に製造場から出荷される製造たばこと同一の税負担を求めることが定められています。したがって、たばこ2万本以上を販売するために所持している小売販売業者などは、平成22年10月1日午前零時現在において所持している製造たばこについて、税率の引上げ分に相当するたばこ税と道府県たばこ税、市町村たばこ税が課税されるわけです。
具体的には、平成22年11月1日までに「たばこ税等の手持品課税申告書」を所轄の税務署長に提出し、平成23年3月31日(木)までに納税することが義務付けられています。そのため、東京都などは「期限を過ぎて申告すると加算金が課される場合があるので、期限内に申告するよう十分ご注意ください」、「納期限は、平成23年3月31日(木曜日)です。納付書を紛失されないように納付時まで大切に保管してください」などと、その取扱いの周知に躍起になっています。
全国の9割以上の自治体で、今後10年以内に道路の更新・維持管理費用が財政上の課題になると認識―。三井住友フィナンシャルグループのシンクタンク(株)日本総合研究所(日本総研)が平成22年度「今後の社会資本ストックの戦略的維持管理等に関する調査」結果をまとめました。
高度成長期に国民の税金で整備された社会資本の多くが、これから一斉に更新時期を迎えます。全国の自治体が管理するその社会資本の中でも、道路については財政難のために適切な維持管理がされておらず、危険な状態にあるものが存在するといわれています。
日本総研が行った今回の調査は、全国の市以上の地方自治体856団体の道路管理部門に対して「今後の道路(橋梁、トンネルを含む)の戦略的維持管理に関すること」を聞いたもので、今年7月から8月にかけて実施されました。それによると「9割以上の地方自治体で、10年以内に道路の維持修繕更新費用が不足する」と見込んでいます。
そして、その今後道路の維持などに関する費用が増加すると考えている自治体に対して、どのような対応策を考えているかを聞いたところ、最も多い回答が「予防保全の徹底(57.3%)」でした。つまり、長期的な視点で財政負担を軽減させようとしているわけです。
日本総研では、道路の維持管理を民間企業に包括的に委託すれば(現在は法制度上制約されている)財政負担は軽くなると考えているわけですが、それについて71.4%の自治体が「事故発生時の責任問題」を指摘しました。これについて、日本総研では「道路管理部門の担当者が抱えるリスク管理に対する不安も、行政と民間との役割分担の明確化や、既に民間委託が進んでいる他国事例を参考にした制度設計により克服が可能である」としています。
自社株式を公開していない同族会社にとって危険な存在と目されているグループ法人税制が10月1日にスタートしましたが、このほど、国税庁が全国の法人課税関係部署にグループ法人税制に関する情報を流し注目されています。
このほど、国税庁が法人課税関係部署に流した税務情報は、Q&A方式でまとめられていて、「確定申告書に添付する完全支配関係図に記載する法人の範囲」や「法人税の軽減税率などの中小企業特例についてどのようなグループ法人が適用できないのか」といった13の質問に対して答えています。
いずれも図表を使ってわかりやすく説明していて、例えば、「確定申告書に添付する完全支配関係図に記載する法人の範囲」について、「グループ法人税制は、貴社において完全支配関係がある他の法人を把握していたかどうかにかかわらず、その適用がありますので、貴社との間に取引関係や出資関係がある法人については、完全支配関係があるかどうかにつき特に留意する必要があります」としたうえで「大規模な企業グループなどにあっては(中略)グループ内の法人のすべてを把握できない場合には、把握できた範囲で完全支配関係がある法人を記載することとなります」などと解説しています。
なお、グループ法人税制は平成22年度税制改正で誕生したもので、連結納税制度のように選択適用ではなく強制的に適用される制度です。とくに法人税を安くするために同族会社がいくつもの子会社をつくって、その会社間で資産を売買することで利益調整するといった節税策を規制するしくみなどがクローズアップされています。